2-5.十分に甘えられた子が自律へ向かう
※当ブログでは心の発達を重要視している為、「自立」ではなく「自律」を用いています。
1.自律への順序
図の通り子どもが自律に向かうには順序性があります。十分に甘えられた子は「安心感」「自己肯定感」を得て、その「安心感」「自己肯定感」が様々なことに挑戦しようとする「意欲」を生み出し「自律」へと向かうのです。
十分に甘えられず不満を抱えている子には、安心感や意欲は生まれません。
また、厳しく躾ければ自律へ向かうと思われがちですが、「自律」の基になるものは「意欲」です。その意欲の基は「安心感」です。厳しく躾けられた子には「安心感」「自己肯定感」が不足しており「不安」「不満」を抱えています。不安や不満からは意欲は生まれません。従って自律にも向かわないのです。
2.十分に甘えさせる
子どもは、自分の甘えを十分に受け止められることで、「自分は大切にされている」「自分には価値がある」「居場所がある」と安心します。それが相手(親)に対する信頼と自分に対する信頼に繋がり自己肯定感が育まれるのです。
甘えを求めてくる時は、その子にとって甘えることが必要な時です。必要だから甘える。甘えざるを得ない心の状態であるともいえるでしょう。
それなのに、甘えを受け入れてもらえなかったら、子どもの中に「不満」や「怒り」が生まれ、それが続くと周りへの不信感や怒りが溜まり、自己肯定感の低下につながるのです。
甘えたい時に満足するまで甘えられた子が情緒が安定し自らの意思により自律へ向かうのです。
3.「甘えさせる」と「甘やかす」の違い
如何でしょうか。言葉は似ていますが全く違う意味を持っていますね。ここを間違えると子どもの姿は全く異なるものになるのでしっかり意識する必要があります。
ここで特に抑えておきたいのは、「甘やかす」は大人都合の関わり方だということです。大人の都合で甘やかせて大人が勝手に満足しているのです。大人と子どものどちらが主体であるか、ここの意識は育児の全てに関わってきます。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
また、「1度たりとも甘やかすことはしない!」と神経質になるのもどうかと思いますが、日常的に甘やかすしている場合、子どもは自主性が乏しくなり、我慢するべきことも我慢できなくなるという好ましくない姿が表れてくるでしょう。
「甘やかす」が日常にならないよう気を付けたいですね。
4.保育園での姿