【図解でわかる!】子育て支援ブログ ~こころのねっこ~

育児休暇を機にSEから保育士に転職した1児の父親が、自身の育児経験、保育経験の中で得た子どもも大人も幸せになる子どもとの関わり方やマインドを図解を使って分かりやすくお伝えします。自己肯定感を育むこと、子どもを主体として認める事を第一に考えています。育児中の方はもちろん、プレママ・プレパパや保育者の方も是非ご覧ください。

2-8.アサーティブ子育て|肯定的な表現を(前編)

 


1.アサーティブとは

Wikipediaによると、アサーティブ(アサーティブなコミュニケーション)とは、「自分と相手の人権 (アサーティブ権) を尊重した上で、自分の意見や気持ちをその場に適切な言い方で表現することである」とあります。

簡単に言うと、「相手を傷付けることなく自分の意見を肯定的な表現で相手に伝えること」と私は捉えています。 

 

つまり、この記事でお伝えする「アサーティブ子育て」とは、「子どもを傷付けることなく親の意見や想いを肯定的な表現で子どもに伝える子育て」ということを意味します。

子どもの自己肯定感を高めるアサーティブ子育て

アサーティブ子育て

もしあなたが否定的な感情を抱いた時、その感情を肯定的な表現に置き換えて子どもに伝えることが出来れば、親子とも幸せな子育てライフを送れるのではないでしょうか。

それではアサーティブ子育てで重要な「子どもを傷つけることのない肯定的な表現」とはどのようなものなのか見て行きましょう

 


2.表現の種類

まず、一言で表現といっても、それは言葉掛けだけではなくいくつか種類があります。

それは、「言葉掛け」「表情」「雰囲気」の3つです。これらの全てが表現であり、子どもに伝わるものです。 

アサーティブ子育てにおける表現の種類

図)表現の種類

「言葉掛け」「表情」「雰囲気」、そのすべてが肯定的なものであれば良いですね。

では1つひとつの表現についてより詳しく見て行きましょう。

 


3.言葉掛け

表現の1つである言葉掛けですが、子どもに与える影響はやはり1番直接的で大きいでしょう。

例えば食事中にイスの上に立ってしまう子どもに対して、「立ったらダメでしょ!」「何度言ったら分かるの!」と大きな声を出すのと、「危ないから座ろうね」と優しく諭すのとでは子どもの心に与える影響は違います。

否定語ではなく肯定語を用いて伝えたいですね。

 

また、肯定語を使えばそれで良いというものでもありません。声の大きさやトーン、話すスピードもとても重要な役割を持ちます。

アサーティブ子育て言葉掛けの要素

図)言葉掛けの要素

声が大きすぎても威圧感を与えますし、小さすぎてもあまり子どもと話したくないという印象を与えるように思います。肯定的か否定的かと言われると否定的な印象を与えます。

トーンが低すぎても怖い印象がありますね。同じ言葉でも、怖いトーンで伝えるのと柔らかなトーンで伝えるのとでは、子どもの受け取り方は180度変わります。

あまり早口で伝えても圧力を感じますし、話をするのが面倒なのかな、早く終わらせたいのかな、と子どもは感じてしまうように思います。

 

肯定的な言葉を選び、適切な声量、トーン、スピードを意識して、子どもに威圧感を与えないようにしたいですね。

後編では、言葉掛けの分類や具体的な言葉の変換例などを詳しく見て行きます。

 


4.表情

親が子どもに見せる「表情」も表現の1つです。 

子どもは親の表情を敏感に捉えて、親が喜んでいるのか、怒っているのかを判断しながら自分のとる態度を決めています。

それでは肯定的な表情、否定的な表情とはどのようなものか見て行きます。

お母さんやお父さんが笑顔で楽しそうな顔をしているとお子さんも楽しくなってきますよね。穏やかな表情で微笑みながら話しかけられたら安心感が感じられ、子どもも穏やかに育ちそうです。それらは肯定的な表情と言えるでしょう。 

逆に、 いつもしかめっ面で何か不満そうな表情をされた場合、子どもは不安を感じ怯えて委縮していくでしょう。自分が否定されていると感じます。表情に乏しい場合は子どもの表情も乏しくなります。否定的な表情と言えますね。

 

どんなときでも笑顔でと完璧を目指す必要は全くありません。もし厳しい表情をしていることが多いなと思われる方は、少しだけ表情を意識されてみると宜しいかと思います。

おまけ:

子どものお絵に描かれるママパパの顔はどんな表情をしていますか?描かれているその表情は子どもが最も印象的に感じている表情ですよ☆

  


5.雰囲気

家庭の「雰囲気」も大事な表現の内の1つです。

一般的に、牧歌的でのんびりとした雰囲気が子どもの健やかな成長に好ましいと言われています。 急かされて慌ただしい雰囲気や、殺伐とした緊張感のある雰囲気では、大人も子どもも気が休まりませんね。

 


6.表現のまとめ

それでは、ここまで見てきた3つの表現について表でまとめてみます。

アサーティブ子育て3つの表現まとめ

表)3つの表現まとめ

いかがでしょうか?

例えば、暗いトーンの大きな声で早口で、しかめっ面で「何回言ったら分かるの!」「走っちゃダメでしょ!」というのと、明るいトーンでゆったりと微笑みながら「危ないから歩こうね」と伝えるのとでは、子どもの受け取り方、与える影響は180度違いますよね。

前者はもはや恫喝です。子どもに与える影響も深刻なものがあります。

委縮してしまい日々不安な気持ちで過ごしている子どもの姿が、更に親の否定的な表現を引き出すという悪循環に陥ります。

今現在、否定的な表現を使っていると感じている方。いきなり明日から全て肯定的な表現に変えるというのは難しいと思います(人間何事も「変わる」というのは大変難しいものです)。少しずつで良いんです。もう少しゆったり話してみようとか、大きな声を出さないよう気を付けてみるとか、1つずつ心がけて見て下さい。完璧を目指さなくても良いんです。少しずつ変えていくこと意識することが、半年後、1年後の大きな改善に繋がるのです。右肩上がりで進むことはありません。「あぁ今日は大きな声で怒っちゃったな」と思う日もあるでしょう。でもそれに気付けることが大切なのです。

 

育児子育ては何年も続きます。長い、大変と思われるかもしれませんが、子どもが手を離れてから振り返ってみると「あの頃の自分が1番輝いていた」「充実した期間だった」と思われる方が大勢いらっしゃいます。

 

肯定的な表現で関わり、自己肯定感が低下し、委縮をさせることのないよう関わっていきたいですね。

 


7.まとめ

 ・「アサーティブ子育て」とは、「子どもを傷付けることなく親の意見や想いを肯定的な表現で子どもに伝える子育て」。
・ここでいう表現とは、「言葉掛け」「表情」「雰囲気」の3つを指し、この表現が子どもの心に影響を与える。
・言葉掛けでは、肯定的な言葉、適切な声量、トーン、スピードを用いて子どもを委縮させないようにしたい。
・親がしかめっ面で何か不満そうな表情をしていると、子どもは自分が否定されていると感じ自己肯定感が低下していく。親が楽しそうな顔をしていると子どもも楽しくなっていくる。肯定的な表情で子どもに安心感を与えたい。
・慌ただしい雰囲気よりも、のんびりとした牧歌的な雰囲気の方が子どもは伸び伸びと育つ。
 
中編では「言葉掛け」についてより詳しく具体的に見て行きます。