2-7.子どものテンポで話を聞こう
1.初めに
子どもの話を丁寧に聞いてあげることは、あなたのことを大切にしていますよと伝えることにもなります。
この記事では子どもの話を子どものテンポに合わせて聞くことの大切さについてお話していきます。
2.急かしていないか?
子どもの話を聞く時に中々言葉が出てこないからといって「早く言って」「忙しいんだから」と急かしたりしていませんか?忙しい時などは、ついつい大人と同じテンポでの会話を求めてしまいがちになりますが、相手はまだ生まれて数年の小さな子どもです。出来る限り子どもにじっくりと言葉を選ばせてあげたいものです。
大人でも急かされると言いたいことを上手く言えなかったり、嫌な気持ちになったりしませんか?子どもも同じです。大好きなお母さんお父さんに「忙しいんだから早く言って」等言われると、ボクの話聞きたくないのかなぁ、ボクよりも大事なことがあるのかなぁという気持ちになり、自己肯定感の低下につながります。
大切なお子さんにしっかりと時間を使ってあげたいですね。
3.先回りしていないか?
また、子どもの話を聞く時に「それってこうでしょう?」と先回りをしていませんか?
子どもは言葉がすぐに出てきません。だからといって子どもが言おうとしているのに先回りして大人が代わりに話してしまっては、子どもが自分で考える経験、自分の言葉で表現する経験を奪ってしまうことになるのです。
4.子どものテンポに合わせる
例え上手く話せなくても、言葉がすぐに出てこなくても、子どもの話すテンポを認めて、大人の都合で遮らず、話し終えるのを根気よく待ってあげたいですね。
自分のテンポにしっかり付き合ってくれた、ちゃんと話を聞いてもらえたと感じた子どもは、自分が大切にされていると感じ、自己肯定感が育まれていきます。
子どものテンポ、子どものペースに合わせるということは、子どもを主体として認めるということです。一つの人格として扱うということです。
これは子どもの人権を守るということにもつながり、何よりも大切なことなのです。また、子どもを主体として認めることが、子どもの自主性や主体性、意欲を引き出していくのです。
子どもを主体とした育児に関しては『4-1.子どもを主体とした子育て』の章で詳しく見て行きますね。
5.どうしても時間がない時には
朝の忙しい時間などはどうしてもじっくり話を聞いてあげることが出来ないかもしれません。そんな時は話を聞いてあげられない理由を丁寧に柔らかい口調で伝えることが大切です。
中々そこまで丁寧な対応はできない、大変だと思われるかもしれませんが、「もう後にして!」「静かにしてて!」等と言って大泣きされるよりは、初めから丁寧に接する方が結局は楽になることが多いと思います。1度気持ちが崩れてしまうと、それを立て直す必要が出てきますし、それまではずっと崩れた気持ちを引きずったままになりますからね。
そして、時間が出来た時にはしっかりとフォローをしてあげることが重要です。そうすることにより、子どもは、話を聞いてもらえない時もある、そして我慢して待った後には必ず聞いてもらえるということが理解出来ていくのです。そこの理解が深まれば、話を聞いてもらえない場合でもしっかりと我慢することが出来ていくでしょう。親への信頼感を基に見通しが持てるようになるということです。
ちなみに大泣きされて気持ちが崩れた場合は『親のアクションはどんな時でも共感スタート』を基に気持ちを受け止めることと謝罪で子どもに分かってもらいましょう!
6.保育園での様子
保育園でも当然1人ひとりの話を相手のテンポに合わせて丁寧に聞いてあげることを意識しています。1つひとつの場面で子どもが納得して次に進むことが重要だからです。 もし十分に納得出来ずにいると、その気持ちをずっと引きずり、そのストレスが友達に向いてトラブルに繋がることがあります。
納得出来なくても自分で気持ちを切り替えられる子、ずっと引きずって不満気な態度を取り友達とのトラブルに発展する子、それぞれ個人差はありますが。
私が担当しているクラスには十数人の子ども達がいて、それぞれが自分が話したいタイミングで話しかけてきます。また、1人と話していると、先生を独占したいという思いから他の子も割って入って話してくることが普通です。複数の会話が同時に進行していくことも日常ですが、1人ひとりにしっかりと時間を使ってあげて、自己肯定感に繋げていきたいです。
7.まとめ
子どもの話を子どもの話すテンポに合わせて丁寧に聞いてあげることは、あなたのことを大切にしていますよと伝えることにもなり、自己肯定感の向上につながる。
急かさず、先回りせず、根気よく話を聞くことで子どもの考える経験やじぶんの言葉で話をする経験を奪わないようにしたい。