「抱っこして欲しいんだよ!」
保育園でのエピソードです☆
1.背景
遊びや給食など自分が関心のあることには夢中になる3歳児のA君。
朝の会など座って話を聞く場面では立ち歩いたり部屋の隅にいることが多い。
その日の朝の会でもいつものように保育室を歩き回ったり、隅っこに座り込んだりしてイスに座れずにいた。
私は「またか」とは思わないように心がけ、座ることを無理強いすることはせずに遠くから見守ったり、側に付いては「どうしたの?」「座れなくなっちゃった?」「そうだね、座りたくないね」等、A君に寄り添い声がけをした。
普段なら座れなくとも機嫌よく歩き回ったりしているのだが、その日はどうも機嫌が悪く不満そうな表情をしている。
2.エピソード
私: | 「どうしたの?A君」「座りたくなければ座らなくても良いんだよ」 |
A君: | ブスッとした表情をして部屋の隅に座り込む。 |
私: | 「何か嫌な事あった?」 |
A君: | 「う”-」と言葉にならない呻きのような声を出す。 |
私: |
そのようなやり取りをもう1回ぐらいしながらも、座らないのはいつものことだし無理に座らせることに意味も感じていないので、付かず離れずA君の内面を想像しながら見守っていた。 |
A君: | まだ不満そうな顔をしてこちらを見ている。先程よりも更に不満気な感じがする。少し怒っているようにも見える。 |
私: | 友達との間で何か思い通りにならなかったことでもあったかなと思い、「誰かに何かされた?」と聞く。 |
A君: | 首を振る。 |
私: | 「そっかぁ、じゃあ何だろう?お話できる?」 |
A君: | コクリと頷く。「・・・。」しばらくして少し怒った口調で「抱っこして欲しいんだよ!」 |
私: | (そうか!抱っこして欲しかったのか!!)「そっか抱っこして欲しかったんだ!」「気付けなくてごめんね」 |
私はA君を引き寄せしっかりと体を密着させながら抱っこをした。A君も私にしがみつき動かない。しばらく抱っこしながら部屋の中を歩いてからA君の席の側でしゃがみ込み、「そろそろ座ってみる?」と聞くとA君はまたコクリと頷き自らイスに座った。
3.振り返り
A君がイスに座らないのはいつものことという気持ちがあり、A君の不満そうな表情の意味を深く探ろうとはしていなかったという反省があります。
この日私は、子どもの要求や欲求を的確に捉えて満たすことの大切さと、スキンシップの力を改めて認識しました。
そして子どもは自分の欲求を満たすことが出来れば、自らやるべきことに向かおうとするということも再確認!
また、何かをさせようとするのではなく、子どもが自らやろうという気持ちになるよう支えることが大人の役割であると改めて心に留めました。
スキンシップに関してはこちらの記事『スキンシップは自己肯定感へのファーストステップ』に詳しく載っています。是非ご覧ください☆